ぜんそくの標準的な治療は

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ぜんそくの標準的な治療は

質問内容

4歳の孫は、1カ月に1回ほどぜんそく発作があります。私もぜんそくですが、大人とは治療の内容が違うようです。子どもの標準的な治療を教えてください。

広島市小児科医会の有田昌彦先生が答えます。

 子どものぜんそくは大人と比べると治りやすい、とは言えます。しかし、専門病院で10年間治療した後の治癒率は、軽症で7割、中等症で5割、重症では2割。一般に受け止められているよりは、治りにくい病気です。発病早期の軽いうちから長期管理治療を開始し、治癒を目指すことが大切です。
 長期管理治療とは、慢性的に腫れている気管支粘膜の炎症を抑える薬物療法のことです。薬で継続的に炎症を抑えて、次第に正常な気管支粘膜に戻るよう手助けします。薬は大人と基本的には同じですが、どの薬をどのぐらい用いるかは重症度によります。
 この重症度をきちんと見極めることが大切です。子どもは大人より1ランク重く評価し、例えば大人の軽症は子どもでは中等症になります。運動時の症状を発作回数に入れていないことが多いようですが、子どもの場合は発作回数に加えて判定します。
 理想的な長期管理治療は、風邪をひいても、運動をしても、全く症状が出ない状態が長期間続くことです。治療中に症状が時々出る、特に夜間に救急受診をすることがある場合には、現在の長期管理治療では治癒は期待できないでしょう。

(参照元:中国新聞 2011.05.17 朝刊)


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