はしかが心配

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はしかが心配

質問内容

今年は麻疹(はしか)が広島でも多いと聞きました。5歳の娘がいるので心配です。どんな病気ですか。

広島市小児科医会の森美喜夫先生が答えます。

 はしかはウイルスによる感染症です。発熱、せき、鼻水に始まり、3、4日後に熱がさらに高くなり発疹が出ます。高熱が7、8日続くため、とても体力を消耗します。重症化して脳炎や肺炎を併発することがある怖い病気です。
 1998~2001年に沖縄で流行したときは、9人のお子さんが死亡しました。重症肺炎と脳炎が原因。亡くなったお子さんは皆、ワクチンを受けていませんでした。
 国立感染症研究所は、はしかにかかると10人に4人は入院し、肺炎や脳炎などのため千人に1人が死亡すると知らせています。脳炎は回復しても重度の後遺症で苦しむ恐れがあります。
 1人の患者から12~14人に感染するといわれています。1、2人にうつるインフルエンザと比べても、はしかの感染力の強さが分かります。免疫がなければ大人もかかります。
 有効な治療はなく対症療法だけです。しかしワクチンを打てば防げます。1回のワクチンでは、免疫が付かなかったり、年数がたって免疫が弱まったりします。北米でははしか撲滅のため80年代から乳幼児にワクチンを2回接種し、患者がほぼいなくなりました。日本でもやっと06年春から麻疹ワクチンが1歳と5~6歳の2回接種になりました。必ず2回受けましょう。

(参照元:中国新聞 2011.06.21 朝刊)


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