虫歯予防 フッ素の効用は
質問内容
2歳の娘の虫歯の予防にフッ素(フッ化物)がいいと聞きましたが、どんな効用があるのですか。
広島大大学院の香西克之教授(小児歯科学)が答えます。
虫歯予防には、器具を使って歯垢を除去するプラークコントロール、砂糖制限や規則正しい間食習慣により虫歯菌の増殖を抑制するシュガーコントロール、そしてフッ素(フッ化物)による歯質強化の三つの方法があります。
歯は唾液中から低濃度のフッ化物イオンを取り込むと、虫歯菌から放出される大量の酸を浴びても溶けない強い歯質になります。
家庭で利用できるのはフッ化物を含む歯磨きペーストとフッ化物洗口剤です。ただ、2歳児の多くは、ブクブクうがいや吐き出しが難しいでしょう。低濃度のフッ化物スプレーや小児用のフッ化物入りの歯磨きペーストをお薦めします。
歯磨きペーストの場合、最初はペーストを付けずにしっかりブラッシングします。最後に2~3ミリグラムを歯ブラシに付けて、歯の表面全体に塗り、出てきた唾液を軽く拭き取ります。この「ダブルブラッシング」は、フッ化物イオンが唾液中に長く存在するため、歯質強化に十分効果があります。
さらに歯科医院で行う定期健診でフッ化物の塗布や、虫歯予防指導を受けることもお勧めします。
海外では微量のフッ化物を水道水に含ませ、虫歯予防を実践する都市も次第に増えています。フッ素が虫歯に強いゆえんです。
(参照元:中国新聞 2011.09.06 朝刊)