ステロイド剤の副作用が心配

質問内容

10カ月の息子に湿疹ができてステロイド剤を処方されました。副作用が心配です。

広島市小児科医会の山本匡先生が答えます。

　ステロイド剤の塗り薬の副作用を心配される声をよく聞きます。
　漠然とした不安もあれば、塗り薬の副作用と前進に作用する飲み薬や注射薬の副作用を混合していることもあります。
　色が黒くなる▽皮膚や体の中に悪いものやステロイド剤が蓄積する▽使い続けていると薬が効かなくなる▽ステロイド依存症になるーというのも聞きますが、そのようなことはありません。
　もちろん使い方によっては、皮膚が薄くなる▽毛細血管の拡張が起こるーなどの副作用もあります。また細菌や真菌、ウイルスなどに感染した部分や、ニキビに使用すれば悪化します。
　ところでステロイドの塗り薬には、強いものから弱いものまであるのをご存じですか。一般的に強ければよく効きますが、副作用も出やすくなります。弱ければその逆です。塗る場所や皮膚の状態によっても薬の吸収は大きく変わってきます。
　つまり、きちんと診断を受けて正しく薬を選び、医師の十分な観察のもとで使うことが大切なのです。塗り方も先生によく聞いて使用してください。そうすれば、ステロイドの副作用を避けられるだけでなく、大きな治療効果が期待できます。
　むしろステロイドの塗り薬を使わずに、皮膚の症状をどんどん悪化させたり慢性化させたりすることの方が問題なのです。

(参照元：中国新聞 2011.11.01 朝刊)