8カ月の孫が腸重積

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8カ月の孫が腸重積

質問内容

8カ月の孫が腸重積で救急病院に運ばれました。どんな病気ですか。

広島市小児科医会の藤江篤志先生が答えます。

 腸重積はズボンの裾の折り返しのように、腸が腸の中に入り込んでいく病気です。
 生後4カ月から1歳までに多く、原因は明らかではありません。ただ、風邪や腸炎がきっかけになる症例もあり、ロタやアデノなどのウイルス感染の時に腸管のリンパ節が腫れることが一因ともいわれます。
 腹痛、嘔吐、血便が主な症状ですが、必ずしも全てがそろうわけではありません。
 腸管がはまり込むことによる腹痛で、火が付いたように泣いたり不機嫌になったりします。
 嘔吐や排便があると一時的に元気を取り戻すことがありますが、またしばらくすると泣きだして嘔吐を繰り返します。吐くものは、最初のうちは胃の中のものですが、時間とともに腸からの便臭を伴うこともあります。
 はまり込んだ腸管粘膜から血液が染み出で血便となります。次第に顔色も悪くなり、吐いては寝てを繰り返し、うつらうつらします。この状態を長く放置すると血が通わずに腸が腐り、腹膜炎や敗血症を起こし、亡くなる症例も出てきます。
 治療では、肛門から造影剤や空気を入れて、はまり込んだ腸管を戻します。戻らない場合や時間がたって本人の状態が悪い場合には手術をすることもあります。
 年長児や何度も繰り返す場合は、ポリープなどを疑い、詳しい検査が必要になります。

(参照元:中国新聞 2012.06.26 朝刊)


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