風疹ってどんな病気?
質問内容
風疹がはやっているようです。どんな病気ですか。子どもにうつらないか心配です。
広島市小児科医会の森美喜夫先生が答えます。
関西で成人の風疹が流行しています。十数年前からワクチンを2回接種している欧米とは異なり、日本では今回のように流行することがあります。
風疹の主な症状は発疹、発熱、リンパ節の腫れで、潜伏期間は2、3週間です。発熱は38度までがほとんどで、発熱期間は3、4日間です。発疹は発熱と同時に全身に出ます。耳の後ろや首のリンパ節が腫れます。
これらの症状により診断をしますが、症状が軽いケースが多く、診断には抗体検査がしばしば必要になります。感染してもまったく症状がない(不顕性感染)ケースが15~30%あるといわれています。
子どもの風疹は、たいてい軽く済みますが、まれに脳炎、血小板現象性紫斑病などの重症の合併症が2千~5千人に1人くらい発生します。
妊婦、特に妊娠初期に風疹にかかると胎児が風疹ウイルスに感染し、難聴、心疾患、白内障、精神運動発達遅滞などがある、いわゆる先天性風疹症候群の赤ちゃんが生まれる可能性があります。
風疹はワクチンで予防できる病気です。MR(麻しん風しん混合)ワクチン(定期ワクチン)を1歳と小学校入学前の1年間に2回接種します。多くの人が予防接種を受けると、流行がなくなり社会全体で妊婦さんや小さな子どもを守ることができます。
(参照元:中国新聞 2012.07.24 朝刊)