生まれたばかりの娘 難聴の疑い
質問内容
娘が生まれてすぐ、産婦人科での検査で、難聴の疑いがあると言われました。どうすればよいですか。
広島市小児科医会の福島典之先生が答えます。
新生児千人に1人の割合で、難聴が出現するとされています。難聴の赤ちゃんを見つけて早期に療育するために、生まれてすぐに行う聴覚検査(新生児聴覚スクリーニング)が普及してきました。
この検査に合格しなかった場合には「要精密検査」とされ、精密検査ができる医療機関の受診を勧められるはずです。そうした医療機関は日本全国で159施設が指定されており、日本耳鼻咽喉科学会のホームページで公開されています。
難聴の状態により対応はさまざまです。難聴が両耳なのか片耳なのか、難聴の程度がどのくらいかを把握することが重要です。
赤ちゃんは耳から入ってくる言葉のまねをしmて、言語が発達していきます。このため難聴への対応策を怠ると言語獲得が遅れるだけでなく、情緒障害や見掛け上の知的発達の遅れにつながることもあります。
両耳の中等度以上の難聴があれば、なるべく早めに補聴器を装用し、言葉の情報を脳に伝えることが必要です。また、補聴器を使っても言葉が聞き取れないような重度の難聴では、「人工内耳」という特殊な機器を耳の奥に埋め込む手術をすることもあります。
いずれにしても難聴と言われたのであれば、なるべく早い時期に精密検査を受けた方がよいでしょう。
(参照元:中国新聞 2012.09.25 朝刊)