滲出性中耳炎で気を付けること
質問内容
3歳の息子が耳の聞こえが悪いようで耳鼻科に行くと、滲出性中耳炎と言われました。どんなことに気を付けたらいいですか。
広島市小児科医会の福島典之先生が答えます。
滲出性中耳炎は、鼓膜の裏の中耳腔に液体がたまって、軽度の聴力低下を引き起こした状態です。
中耳腔は耳菅という細い管で鼻の奥とつながっており、この耳管により中耳腔は換気が行われています。耳管の働きが悪くなると、滲出性中耳炎になってしまいます。
乳幼児期は耳管の働きが未熟で、滲出性中耳炎になりやすい時期です。まれに慢性の中耳炎に変化することもありますが、一般的には8歳頃までに自然に治っていきます。
しかし、自然に治るからといって放置しておくと、この期間を難聴のまま過ごすことになります。言葉の発達や学校生活などに影響が出ることもあります。良い聴力を維持して、滲出性中耳炎になりやすい乳幼児期を乗り切ることが重要です。
鼓膜を切開して中耳腔にたまった液体を取り除いたり、鼓膜に換気のためのチューブを入れたりすれば、聴力は正常に戻ります。場合によっては、鼻の奥のアデノイドや口蓋扁桃を摘出することもあります。かかりつけの耳鼻科の先生とよく相談してください。
家庭では鼻すすりをせず、きちんと鼻をかむなどの基本的生活習慣を、お子さんに早く身に付けさせることも大切です。
(参照元:中国新聞 2012.11.20 朝刊)