百日咳がはやっている 対応は
質問内容
2歳の娘の保育園で百日咳がはやっています。娘が咳を始めたので心配です。
広島市小児科医会の堂面政俊先生が答えます。
百日咳は、百日咳の菌が気道に感染して生じます。潜伏期は10日前後。症状は咳や鼻水で始まり、通常、発熱はありません。
軽い咳が、1、2週間続いた後、次第に咳が激しくなり、2~6週続きます。息を吸う間もなくコンコン咳き込み、慌ててヒーと息を吸うような発作を何度も繰り返します。その後、徐々に咳は軽くなりますが、治るまで軽症でも1カ月以上かかります。咳が長く続くので、百日咳と言われています。
適切な治療をすれば順調に回復し、呼吸器の後遺症はまれです。
有効なのはワクチンによる予防です。
生後3カ月頃から接種を始める3種または4種混合ワクチンに、百日咳ワクチンが含まれています。ですから、混合ワクチンの1期(3回接種)が終わった子供は、重症化する可能性は高くありません。
一方、ワクチン接種をしていない子供や、ワクチンの効果が薄れる小学校高学年の児童や中学生以上の子供は、百日咳にかかってしまうことがあります。
また最も心配なのが2カ月までの乳児です。典型的な経過をたどらず、無呼吸、チアノーゼ、けいれん、嘔吐、直腸脱などの症状が生じることがあります。8割が重症化して入院治療が必要になり、注意すべきです。
(参照元:中国新聞 2012.11.27 朝刊)