4歳の息子 股に軟らかい膨らみ

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4歳の息子 股に軟らかい膨らみ

質問内容

4歳の息子は、股のところに軟らかい膨らみがあります。押さえると引っ込みます。受診すべきですか。

広島市小児科医会の山本恵先生が答えます。

 足の付け根から陰嚢にかけての膨らみで、容易におなか側に引っ込み痛みがないようなら、脱腸(鼠径ヘルニア)かもしれません。  膨らみはおなかから出ている腸のことが多いです。古くなった水風船を押さえたような感触があります。
 立った姿勢で男児は陰嚢の、女児は陰唇の大きさが左右で違うため、家族がお風呂で気付くことがほとんどです。翌日に受診した時には膨らんでいないこともあり、見つけたときに撮影しておくと説明しやすいですね。
 まれに、ヘルニア内の腸がおなかに戻りきれず、血がいかなくなることがあります。膨らみが赤紫色になり、触ると痛がって、ぐずって嘔吐を始める「ヘルニア嵌頓」といわれる状態になることがあります。時間がたつと腸が壊死するので、救急外来の受診が必要です。
 ヘルニア嵌頓を避けるため、鼠径ヘルニアを見付けたら早めの手術をお勧めします。手術は小児外科または外科で、全身麻酔で行います。パンツのゴムひもが当たる辺りを数センチ切開し、腸をおなかに戻して、腸の出入り口を縫い止めます。
 最近は入院も数日で済み、手術跡も小さく目立たないことがほとんどです。腹腔鏡を使用することもあります。よく見掛ける病気ですが、ヘルニア嵌頓に注意が必要です。

(参照元:中国新聞 2012.11.06 朝刊)


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